top of page
長い手紙
2019 / 8 / 27
長野のモデルハウスが完成した。
設計の仕事は、始まって建物が完成するまで、
その都度たくさんの人と情報を
「共有」することで進んでゆく。
けれど一方では、本当に建物が出来あがり、
新品のシャツに袖を通すように
身を置いたときのその「感じ」の中には、
設計者がその仕事の中で日々想像し、磨きをかけ、
完成の日まで一人で持っていく、
そういう部分がどうしてもあるように思う。
むしろ設計者自身にとっても、それを正しく
高い精度で想像することは細心の注意と努力を
要することで、決して容易な作業ではない。
そうやって建物が完成し、使い手となる人々に
喜びをもって受け入れられたとき、
ふっと「長い手紙が届いた」という気持ちになる。
一人夜なべをして、コツコツ書いた長い長い手紙。
その喜びは、一瞬でそれまでの苦労を
吹き飛ばすだけでなく、その苦労までも
素晴らしいものにしてしまう。
辛抱強く打ち合わせにお付き合いいただき、
設計の意図を丁寧に汲み取って施工していただいた
フォレストコーポレーションの皆様に、
この場を借りて感謝申し上げます。
bottom of page